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ボクはまた砂浜に降りて行っていた。
舗装された道から砂に降りると、踏めば逃げる足場が、いかに歩きにくいかが良く分かる。
「ども、お疲れさまっス」
金髪の人をねぎらうと、彼女は息をついていた中腰から、ボクの方へと顔を向けた。
「いやいや……」
大きくため息をついて、彼女は苦笑いを浮かべる。近くで見ると、少なくても二十は超えてるなと分かった。
犬のタマがボクの顔を見上げていた。荒い息が聞こえた。頭を撫でてみる。しっぽの振り幅が大きくなる。それが可愛いくてもっと撫でる。しっぽの振り方に腰が入っている。
「ええと……どちらさま?」
金髪の人が、キミ女に向けて訊いた。キミ女は、数秒の間、無言でボクを見て、
「ボク女」
と、言った。
「ハイ、みささん登場です! タマちゃんは、あたしも大好きです、ハイ。でもなんでタマなんだろう……犬なのに……ゴールデンレトリバーなのに……」
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